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東海光学の製品は、最先端技術の結晶。
光を操る技術で、新たな価値を生み出し
今後も成長を続けていきます。
眼鏡レンズに求められる役割は「よく見える」ことですが、東海光学が追求しているのはそれだけではありません。眼鏡は体の一部として身につけるものだからこそ、近年は目の健康や心地よさ、ファッション性、傷や紫外線に強いコーティングといった付加価値が、お客様のレンズ選びの決め手になっています。
東海光学は長年培ってきた技術力とチームワークで常に新たな価値を生み出し、眼鏡レンズ業界をリードしてきました。いまやその技術力は眼鏡レンズという領域を越えて、宇宙開発にも貢献しています。光を操る技術で広がる世界、変わる世界をあなたも一緒に楽しんでみませんか?
眼を守る透明レンズ「ルティーナ」を実現させた高い素材開発力
現在、眼鏡店様で売られているレンズのほとんどが紫外線カット機能を持ち、目の紫外線ケアが当たり前になりつつあります。紫外線だけでなくパソコンの青色光をブロックする眼鏡もヒットしており、「眼の健康」への注目度やニーズが年々高まってきています。
東海光学は目の健康へのニーズにいち早く対応し、アイケアデザインに重点をおいたレンズ素材の開発に力を入れてきました。特殊な紫外線吸収剤を使用し、樹脂を調合することで、従来の紫外線だけでなく酸化ストレスやルテイン劣化に影響を与える波長(HEV)を2倍以上カットすることに成功しました。さらに微量の添加物を加えてレンズの色を無色に近づけて誕生したレンズが「ルティーナ」。アイケアに関心のある人に自信を持っておすすめできる商品です。
ほかにも素材開発の成功事例として、不可能に近いと言われていた世界最高の屈折率1.76の薄型レンズ開発に挑戦し、2006年に全国で発売。経営理念の1つである「独自性の発揮」を形にした商品を次々と生み出してきました。
「心地よさ」を最先端の脳科学で実証した累進レンズ「ニューロセレクト」
従来のレンズ設計開発は、コンピューターによる光学シミュレーション工程と、実際に設計開発者が主観的に評価を行う評価工程とで行っていました。しかしながら、人の感覚はとても曖昧。いったいどんな状態が心地よいのか?その曖昧さをとらえるために東海光学が採用したのが「脳科学」。レンズを通した見え方を脳波で計測すると、心地良さの指標がデータとしてあらわれます。その指標をもとに遠近両用レンズの設計開発を行い、脳が選んだ理想の見え心地を形にしたのがニューロセレクトのメガネレンズ。脳科学を取り入れて装用感を数値化し、何度も試作・評価を繰り返した結果、レンズ設計に新たなイノベーションを盛り込むことが可能になりました。脳科学が「心地よい」と実証した東海光学の高性能レンズは、多くの人の見え心地の改善に貢献しています。
圧倒的”なレベルで傷に強いコーティング「ウルトラシールドコート」
朝起きて夜寝るまで、長い時間掛けることの多い眼鏡レンズ。紫外線や熱、汗、さらに拭きキズや衝撃はレンズの劣化を招きます。そうした劣化を防ぎ、できるだけ長い期間使用していただくため、眼鏡レンズには非常に厳しい性能基準が求められます。
東海光学は独自のコーティング技術により、超高性能なレンズ「ウルトラシールドコート」を生み出しました。「ウルトラシールドコート」の最大の強みは、分子の高密度化と分子・微粒子をハイブリッド化させた新開発高硬度ハードコートと、膜を高密度化させた新開発高密度マルチコート。これらの最強コーティングによって、圧倒的にキズに強く、耐久性の高いレンズ開発を実現させました。パソコンやスマートフォンなどの使用により、眼を酷使する現代生活において、ストレスが少ない視環境を提供すべく、多彩なメガネレンズ商品のバリエーションやレンズの機能を高めるコーティング商品を提供し続けています。
1000層を超える超多層膜も成膜が可能に 最先端の成膜装置「HELIOS(ヘリオス)」導入
より高精度な光学部品をご提供することを目的に、高精度光学多層成膜スパッタ装置『HELIOS』(Bühler Alzenau GmbH社)を2022年9月に真福寺事業所に導入しました。HELIOSの導入により、高精度且つ1,000層を超える超多層成膜が可能となり、高いブロッキング性を実現する高OD(optical density = 光学濃度)フィルタ、狭帯域ノッチフィルタや蛍光分析用フィルタなど、これまでは実現が難しかったフィルタのご提供提案が可能となりました。従来の真空成膜装置よりも高い成膜精度を持つこと、今まで製造が難しかった1000層を超える超多層膜でも成膜ができる技術革新により、光通信分野や医療機器分野、測定分析分野、天文分野、レーザ分野などで今後の活躍が見込めます。新たな価値を持つ光学薄膜や高難易度な光学製品のご提案を行い東海光学の経営理念の一つ「独自性の発揮」を具現化しています。
東海光学の光を操る技術が宇宙へ 宇宙の謎解明に大きく貢献
顕微鏡や医療機器など、専門的な機械にも「レンズ」は多く使用されています。東海光学では光機能事業部があり、光を操る技術を眼鏡レンズ以外に応用すべく開発を続けています。
近年では光機能事業部で開発製造した光センサー用集光器が東京大学宇宙線研究所様に採用され、世界最大級のガンマ線天文台チェレンコフ望遠鏡に使われる大口径望遠鏡※に搭載されました。光センサー用集光器の開発において評価されたのは、メガネレンズの製造メーカーならではの「プラスチック形成技術」と「コーティング技術」。プラスチックはナノメートルオーダーの平滑な面をもち、さらに真空蒸着により金属と誘電体からなる多層膜を形成し、高効率な光センサー用集光器を実現したのです。
また、2022年にはJAXA宇宙探査イノベーションハブが募集した研究課題「透明超硬膜の研究開発」に対する研究テーマとして採択されました。屋外環境で使用される照明やセンサーの光学部品には、耐キズ性能のほかにも高い耐環境性能や耐薬品性能が求められますが、東海光学は透明、硬質、耐環境性能に優れている、過酷な環境下でも使用可能という厳しい条件をすべてクリアする『超硬度コーティング』を開発・提供しています。ほかでは真似できない高い技術力を活かし、宇宙分野でのさらなる貢献を目指します。
※チェレンコフ望遠鏡とは:宇宙から到来する高エネルギーのガンマ線が地球大気と衝突した際、チェレンコフ光と呼ばれる光が放出されます。これをとらえることで、宇宙ガンマ線の観測を行う望遠鏡です。しかしチェレンコフ光は紫外線領から可視光領域までと帯域が広く、一般的な集光機では集光が困難。そこで当社の技術が役立ったのです。